「債務整理」株式払込の偽装による資本金の虚偽報告

研究
活動
業務

主文

被告人Aを懲役2年に,被告人Bを懲役1年6月に,被告人Cを懲役2年に処する。
未決勾留日数中,被告人Aに対しては40日を,被告人Bに対しては30日を,被告人Cに対しては30日を,それぞれその刑に算入する。
この裁判が確定した日から,被告人A及び被告人Cに対し各4年間,被告人Bに対し3年間,それぞれその刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人3名の連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)
被告人Aは,平成13年6月28日から和歌山市a町b番地に本店を置く株式会社D(以下「D」という。)の代表取締役,被告人Bは,平成14年10月16日からDの取締役経理部長兼総務部長,被告人Cは,平成15年5月28日からE株式会社(以下「E」という。)の代表取締役であったものであるが,DがEを引受人とする第三者割当の方法によって新株940万株を1株122円(払込金総額11億4680万円)で発行する増資を計画した際,Eが払込資金を調達できなかったことから,株式の払込みを仮装した上,計画どおり増資手続を了した旨の新株発行による変更登記をしようと企て,Dの当時の常務取締役F及びEの取締役Gと共謀の上,平成15年12月12日の株式申込期日に,Eが,その子会社株式会社H(以下「H」という。)を介して東京都千代田区cd丁目e番f号所在の株式会社I銀行(以下「I銀行」という。)本店から翌営業日である同月15日に返済するとの約定で借り入れた11億4680万円を,新株940万株の株式払込金として株式払込取扱銀行である同店に入金し,同月12日,同店から上記11億4680万円についての株式払込金保管証明書の発行を受けて払込みを仮装し,同月18日,和歌山市f番丁g番地所在の和歌山地方法務局において,情を知らない司法書士Jをして,同局登記官に対し,上記11億4680万円の払込みが仮装のものであることを秘し,新株940万株の払込みがすべて履行されたことにより,Dの「発行済株式の総数」が1060万株から2000万株に,「資本の額」が5億3000万円から11億0340万円にそれぞれ変更された旨の内容虚偽の株式会社変更登記申請書を,上記株式払込金保管証明書等の添付書類とともに提出して,Dの新株発行による変更登記の申請をし,よって,同日,同登記官をして,同局備付けの商業登記簿の原本として用いられる電磁的記録にその旨の不実の記録をさせ,即時,これを同局に備え付けさせて公正証書である商業登記簿の原本としての用に供したものである。
(証拠の標目)
〔〕内の甲又は乙を付した番号は,証拠等関係カードの検察官請求証拠の番号であり,かつ,各書証の欄外に記載されている番号である。
第1回,第13回ないし第15回公判調書中の被告人Aの各供述部分
第1回,第10回ないし第12回公判調書中の被告人Bの各供述部分
第1回,第6回ないし第9回公判調書中の被告人Cの各供述部分
被告人Aの検察官調書(3通)〔乙14ないし16〕及び警察官調書(3通)〔乙2,7,9〕
被告人Bの検察官調書(2通)〔乙44,45〕及び警察官調書(10通)〔乙25ないし27,29,32,33,36ないし38,40〕
被告人Cの検察官調書(2通)〔乙62,63〕及び警察官調書(6通)〔乙47,49,50,55ないし57〕
被告人B作成の上申書2通〔乙19,20〕
被告人B作成の「11月10日頃にEC氏より」から始まる書面〔乙21〕
被告人B作成の「第3回目の増資を行う際の7億円の質権設定の経緯」と題する書面〔乙22〕
被告人B作成の「第2回目の増資の際の経緯」と題する書面〔乙23〕
被告人B作成の「11/13での近畿財務局1階の」から始まる書面〔乙24〕
第4回公判調書中の証人Kの供述部分
G(3通)〔甲31ないし33〕,L〔甲41〕,M〔甲42〕,K(2通)〔甲51,52〕及びN〔甲53〕の各検察官調書J〔甲7〕,O〔甲8〕,F(2通)〔甲17,18〕,P〔甲36〕及びQ(2通)〔甲43,44〕の各警察官調書Fの作成の上申書〔甲16〕捜査報告書9通〔甲1,2,6,9,10,25ないし28〕写真撮影報告書2通〔甲3,4〕履歴事項全部証明書2通〔甲24,46〕
(事実認定の補足説明)

第1 弁護人の主張等

被告人A(以下「被告人A」という。)及び被告人B(以下「被告人B」という。)の弁護人ら(以下,単に「Aらの弁護人」という。)並びに被告人C(以下「被告人C」という。)の弁護人(以下,単に「Cの弁護人」という。)は,いずれも,各弁論において,@Dの資本充実は阻害されていないから本件の増資が架空であったとはいえず,A被告人らには電磁的公正証書原本不実記録,同供用罪所定の故意もなかったとして,被告人らが無罪である旨主張し,被告人らにおいても,それぞれ上記故意の存在を否定しているものと解されるので,以下,当裁判所が,被告人らについて,判示のとおりの電磁的公正証書原本不実記録,同供用罪の成立を認めた理由について説明する。

第2 本件の増資手続がなされた経緯,増資手続の内容等

関係各証拠によれば,本件の増資手続がなされた経緯,増資手続の内容等について,以下の事実が認められる。
1 被告人ら及び関係会社
(1) Dは,創業が室町時代とされる老舗の和菓子屋であり,昭和19年に法人化され,本件当時は,和歌山市に本店を置き,その他各地に支店や販売所を設けて,各種和洋菓子の製造及び販売並びに喫茶店経営等を営んでいたところ,その経営権は,代々「A家」が継承していた。
被告人Aは,Dの代表取締役を務めたRの次男であり,昭和50年にDに入社し,京都支店長,取締役経営企画部長等を経て,平成13年6月28日,実兄Sの後任として代表取締役に就任し,本件に至った。
被告人Bは,昭和51年にDに入社し,業務統括本部経理部長,業務管理本部管理部長等を経て,平成14年10月16日,取締役経理部長兼総務部長に就任し,本件に至った。
(2) Eは,平成14年10月に設立され,東京都に本店を置き,不動産の売買,投資顧問業,コンサルティング業等を営んでいた。
被告人Cは,株式会社E不動産投資(社名変更前のE)の取締役を経て,平成15年5月28日,代表取締役に就任し,本件に至った。
(3) Hは,昭和55年12月に設立され,高級海鮮料理店を営んでいたが,業績が悪化したことから,平成14年8月28日,東京地方裁判所において民事再生手続が開始され,平成15年3月20日,再生計画認可決定が確定した。また,Hは,同月ころ,Eに買収されて同社の100パーセント子会社となり,被告人Cが代表取締役を兼ねるようになった。
2 本件の増資手続がなされた経緯
(1) Dは,被告人Aが代表取締役に就任した後,それまで赤字だった営業損益が黒字に転じたものの,主力銀行であるS銀行和歌山支店からの借入金に対する利息の負担が大きかったため,経常損益は赤字が続いていた。
そして,平成15年2月に着任した同支店の支店長から,例年5月ころと11月ころの2回にわたって無担保融資を受けていたいわゆる「季節資金」以外には新規融資は行わない旨通告されていたため,経営改善に向けた新店舗立ち上げなどの新規事業計画も行えない状況にあった。
また,Dは,東京証券取引所第2部及び大阪証券取引所第2部にその株式が上場されていたが,平成15年4月から施行された東京証券取引所及び大阪証券取引所の各上場廃止基準によると,当時55円(発行株式総数1060万株)であったDの株価では,大阪証券取引所第2部の上場廃止基準(株式時価総額5億円未満)に該当することはなかったものの,東京証券取引所第2部の上場廃止基準(株式時価総額10億円未満)には該当し,9か月以内に株式時価総額が10億円以上にならないと,東京証券取引所第2部の上場が廃止されることとなった。
(2) 上記(1)のような状況の下,Dに対し,その取引銀行や証券会社が,他社との資本・業務提携の話を持ち込むようになっていたところ,Dの副幹事証券会社であるT証券株式会社(以下「T証券」という。)は,平成15年6月上旬ころ,被告人Cから,EがDの資本・業務提携に応じる用意がある旨の申し出を受け,同月中旬ころ,T証券の事業開発部長Zが,被告人AにEを提携先として紹介した。
そして,Dは,同年7月28日,T証券との間で,Eとの資本・業務提携に関するアドバイザリー契約を締結し,その後の協議を経て,Eを引受先とする第三者割当増資を行うことを決めた。
(3) 同年10月1日,DとEとの間で,第三者割当増資についての基本合意が締結されたが,そのうち株式の払込みに関する約定は,DがEに対して1株122円の普通株式940万株を発行し(発行価額合計11億4680万円),払込期日を同月21日とするという内容のものであった。
(4) ところで,被告人Cは,当初,株式の払込みのための資金全額についてI銀行から融資を受けようと考えていたが,Dの株価が上昇したことから,同銀行からの融資を受けることが困難となった。そこで,被告人C及びI銀行において,払込金のうちの5億円についてはHの営業譲渡代金として処理するなどのスキームを案出したが,D側の了承を得ることができず,結局,Eが資金調達をできないままに払込期日が到来し,増資手続は延期となった。
(5) Dは,同月28日,第三者割当増資を再度実施することを決め,同年11月13日を払込期日としたが,被告人Cが同日までに資金調達できなかったため,2回目の増資手続も延期され,さらに,Dは,同月14日,第三者割当増資を再々度実施することを決め,同年12月12日を払込期日とした。
しかるに,被告人Cが資金を調達することはなおも困難であったことから,3回目の増資手続における基本的なスキームは,最終的には次のとおりとなった。
アI銀行がHに12億円を貸し付け,これをHがEに転貸して,EがI銀行に株式の払込みとして11億4680万円を入金する。
イ上記アの入金後,Dは,Hに対し,営業譲渡代金として5億円を支払い,Hは上記アの12億円の一部弁済として,その5億円をI銀行に支払う。
ウEは,第三者から7億円の融資を受け,Hを介して,I銀行に融資残額を弁済する。
エDは,11億4680万円から上記イの5億円を控除した残額6億4680万円をI銀行以外の金融機関に預金するとともに,上記ウの第三者のEに対する債権を担保するため,これに質権を設定する。
3 本件の増資手続の内容
(1) 3回目の払込期日である平成15年12月12日(金曜日)には,以下の手続が行われた。
ア被告人Cの依頼を受けたL(以下「L」という。)は,Eとの間で,同月15日に7億円を貸し付ける旨の契約を締結した。
イLは,I銀行本店のL名義の通知預金7億円に,I銀行本店のHに対する債権を担保するため,質権を設定した。
ウI銀行本店は,Hに12億円を貸し付け,これをHがEに転貸した。
Eは,そのうち11億4680万円をDの新株940万株の払込みとして同店に入金し,同店は,Eに株式払込保管金証明書を発行した。
Eは,上記アの7億円の一部弁済として,Lに残余の5320万円を支払った。
(2) 翌営業日の同月15日(月曜日)には,以下の手続が行われた。
アDは,上記(1)ウで払い込まれた11億4680万円のうち5億円を,Hに営業譲渡代金として支払った。
イ上記(1)イのL名義の通知預金7億円に設定された質権が解除され,その7億円が,E名義の口座を経て,H名義の口座に入金された。
ウHは,上記アの5億円及び上記イの7億円によって,上記(1)ウのI銀行からの貸付金12億円を弁済した。
なお,当該貸付けからその弁済までは,すべてI銀行本店で内部処理され,12億円が同店の外部に流出することはなかった。
エDは,上記(1)ウで払い込まれた11億4680万円から上記アの5億円を控除した残余の6億4680万円を,U信用組合梅田支店のD名義の通知預金口座に振り込み,LのEに対する上記(1)アの債権を担保するため,これに質権を設定した。
(3) 司法書士Jは,Dから委任を受け,同月18日,Dの代理人として,和歌山地方法務局において,Dの「発行済株式の総数」が1060万株から2000万株に,「資本の額」が5億3000万円から11億0340万円にそれぞれ変更された旨の登記申請を行い,その結果,同日,同法務局備付けの商業登記簿の原本として用いられる電磁的記録にその旨が記録され,即時,これが備え付けられた。
4 本件の増資手続後の状況
(1) 平成15年12月12日以降,DがHの営業(「ホルモンV」「H銀座店」「H大阪ヒルトンプラザ店」「W大阪ヒルトンプラザ店」の4店舗にかかるもの)を現実に行ったことは一切なく,平成17年3月ころ,Hは破産開始となった。
(2) 被告人Cは,Dに対し,平成15年12月26日までに資金を調達してLに弁済をし,上記3(2)エの預金債権に設定された質権を消滅させる旨約していたが,同日までに資金を調達することができなかったため,Dは,同日,Lから質権の解除を受けた上,同預金によって,LのEに対する6億4680万円の貸付金を代位弁済した。

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第3 株式払込みの有効性について

1 問題の所在
上記第2の3のとおり,平成15年12月12日,いったんは,Dに対する株式の払込みとして11億4680万円がI銀行に入金されてはいるが,そのうち5億円については,I銀行本店の外部に流出することがないまま,最終的にはHのI銀行に対する弁済の一部として充当されて全額処理済みであり,残余の6億4680万円についても,U信用組合梅田支店のD名義の通知預金口座に振り込まれた後,Lのために質権が設定されていたため,結局,同月18日の登記簿記録の時点においては,払い込まれた11億4680万円自体をDが直ちに資産として使用できる余地はなく,そのことは,被告人らにおいて当初から企図していたところであった。そのような経緯に照らすと,同月12日の11億4680万円の払込みをもって,直ちに有効な株式の払込みとみることは相当ではない。
他方,上記5億円については,DがHに営業譲渡代金として支払ったものとされていることからすると,その対価としての資産がDに帰属していたとみる余地があり,また,上記6億4680万円についても,質権が設定されていたとはいえ,同額の預金債権が資産としてDに帰属していたとはいえる。
そして,それらが,当初払い込まれた11億4680万円と同視できるだけの「実質的な資産」と評価しうるものであれば,D並びにその株主及び債権者等の利益を害することもないから,同月12日の11億4680万円の払込みをもって,有効な株式の払込みとみることは可能である(最高裁平成3年2月28日決定・刑集45巻2号77頁,同平成17年12月13日決定・刑集59巻10号1938頁参照)。
そこで,そのような「実質的な資産」がDに帰属していたものと評価できるかについて,以下,営業譲渡に関する5億円分の資産と質権設定に関する6億4680万円分の資産に分けて検討する。
2 営業譲渡に関する5億円分の資産について
(1) 上記1のとおり,EがI銀行本店に払い込んだ11億4680万円のうちの5億円分は,実質的には,最終的にI銀行本店に還流しているものといえるが,外形的には,Dが,当該5億円を原資としてHから営業譲渡を受けたとされており,かかる営業がDに帰属することをもって,Dに対して5億円分の株式の払込みが有効になされているものとみる余地がないではない。
もっとも,新株発行に関する出資の履行については,それが適正に行われるために厳格な法規制がなされているところ,@金銭出資の場合,新株引受人は,払込期日までに発行価額全額の払込みをしなければならず(平成17年法律第87号による改正前の商法〈以下「改正前商法」という。〉280条の7),それを確保するために払込取扱場所や払込取扱機関による払込金保管証明の制度が設けられている(同法280条の14第1項,177条2項,189条)こと,AHがEの100パーセント子会社であることからすれば,HがDに営業譲渡をすることは,現物出資に類似するものと解されるところ,現物出資の場合,出資者は,払込期日に出資の目的たる財産の全部を給付しなければならない上(同法280条の14第1項,172条),目的財産について過大評価が行われないようにするために裁判所が選任する検査役による調査が必要とされていること(同法280条の8)などからすれば,当該営業譲渡をもって5億円分の株式の払込みが有効になされたものとみるためには,それによって,当初払い込まれた5億円が現にDに帰属しているのと同視しうる状況が形成されていることが必要であるものと解される。
以上のことを踏まえて,当該営業譲渡についてみることとする。
(2) HからDへの営業譲渡に関しては,平成15年12月11日付け営業譲渡契約書が作成されており,一応は契約成立の外形が整えられているものの,同契約書は,もっぱら同月12日の株式払込期日に間に合わせるためだけに作成されたものといえ,DとHとの間で,同契約書に記載されたとおりの合意が成立しているわけではない。
そして,関係各証拠によれば,DとHの間において,譲渡の対象(「Hの株式」とするのか「Hの営業」とするのか),譲渡代金額,財産移転や利益帰属の時期等といった,契約の基本事項が最終的に確定されたことはなく,Dが現実に譲渡にかかる財産や利益等を管理したこともなかったことが認められる。
そうすると,当該営業譲渡にかかる契約は,検察官主張のような仮装のものであったか否かは措くとしても,基本的・本質的な事項についての約定がほとんど確定していない内容希薄なもので,契約の成立自体すら疑問視すべきものであったということができる。
(3) また,譲渡の対象がHの営業であったとした場合,譲渡の手続的な要件として,D及びHにおいて,それぞれ株主総会の特別決議を受けること(改正前商法245条1項1号,3号)や,Hの民事再生事件が係属する東京地方裁判所の許可を受けること(民事再生法42条1項)が必要とされるところ,DないしHにおいて,それらの手続を行った事実はなく,行おうとした形跡すらない。
(4) さらに,平成15年12月12日の時点におけるHの営業の客観的な価格は必ずしも明らかではないものの,関係各証拠によれば,同年3月ころにEが買収した際のHの値段は2億数千万円程度であったこと,同年8月1日から平成16年7月31日までのHの営業利益は約3843万円であったことがそれぞれ認められ,それらのことからすれば,平成15年12月12日の時点におけるHの営業の客観的な価格が5億円もの高額であったとは考えがたい。
この点について,被告人Cは,過去10年間の営業利益や,他社からの買取申出額等を根拠として,5億円の価格を算定することが妥当である旨供述しているが,その妥当性を裏付ける客観的資料は存在しない。
また,被告人Cの弁護人は,Hの営業の価格を決めるに際しては将来の成長分を見込むのが当然である旨の主張もするが,かかる成長分を見込んだ場合のHの営業の価格が5億円となることを裏付ける客観的資料は存在しない上,そもそも,上記(1)でいうところの,当初払い込まれた5億円が「現に」Dに帰属しているのと同視しうる状況が形成されているかということを判断するにあたり,「将来の成長分」などといった不確定要素を考慮に入れて当該営業譲渡の価格を算定することは相当ではない。
(5) 以上を総合すれば,DとHとの間において,Hの営業にかかわる何らかの合意はあったとしても,さらに進んで,当初払い込まれた5億円が現にDに帰属しているのと同視しうるような,営業その他の財産の移転があったものとは到底認められない。
したがって,EがI銀行本店に払い込んだ11億4680万円のうち,最終的にI銀行本店に還流している5億円分については,株式の払込みは無効であるものというべきである。
3 質権設定に関する6億4680万円分の資産について
(1) 上記1のとおり,EがI銀行本店に払い込んだ11億4680万円のうちの6億4680万円分は,金融機関に預金されてはいたものの,Lのために質権が設定されていたため,Dが直ちに使用する余地がなかったところ,上記2(1)のとおり,新株発行に関する出資の履行について,払込期日までに現実の給付が行われることが必要とされていることからすれば,そのように会社が直ちに使用することができない資産については,原則として,株式の払込みを有効とする「実質的な資産」とは評価できないものというべきである。
もっとも,かかる質権設定が一時的なものに過ぎず,速やかに解除されることが確実であれば,当該会社にとって,預金分の資産の使用が実質的には阻害されていないものと考えられるから,そのような場合には,質権が設定された預金債権についても,これを「実質的な資産」と評価しうる余地はある。
そこで,それらのことを踏まえて本件をみるに,関係各証拠によれば,上記質権設定の時点において,E及びHは,いずれも自力で質権を解除できるような財務状況にはなかったことが認められる上,上記第2の4(2)のとおり,現に,被告人Cは,質権解除のための資金を調達することができず,Dにおいて,LのEに対する6億4680万円の貸付金を代位弁済せざるをえなかったのであって,これらのことからすれば,本件において質権が設定された6億4680万円の預金債権は,Dの「実質的な資産」と評価しえなかったものと強く推認される。
(2) これに対し,Aらの弁護人及びCの弁護人は,Eは資金調達力を有しており,設定された質権を解除することが容易であった旨それぞれ主張する。
そこで,以下,それらの主張について検討を加えることとする。
アまず,Aらの弁護人は,Eとしては,Dの新株940万株を担保にして金融機関から融資を受け,それによって質権を消滅させることが容易であった旨主張する。
しかしながら,株価が安定している超優良企業の場合は措くとして,一般的な企業では株価が大きく変動する可能性が十分にあるのであるから,EがDの新株940万株を担保として6億4680万円もの高額な融資を受けることは,不可能であったとまではいえないとしても,それが容易であったものとは到底考えられない。
この点,Aらの弁護人は,Dの株価が,平成15年10月には最高280円,最低149円,同年11月には最高155円,最低116円,同年12月には最高190円,最低125円,平成16年1月には最高162円,最低126円であったことをもって,Dの新株940万株を担保として6億4680万円を調達することは容易であったことの根拠とする。
しかしながら,関係各証拠によれば,Dは,経常損益が赤字の状況の中,株主に対する配当について無配状態が続いていたこと,平成15年3月には株価が最高80円,最低48円と低迷していたこと,同年9月ころから株価が急騰したものの,平成16年1月ころからは再び下落の一途をたどっていたことなどが認められ,それらのことに照らせば,Dの新株は,一時的に高値で売却できる可能性があったとはいいうるものの(ただし,DとEとの間の基本合意によって,Eは新株を発行日から2年間継続して保有する義務があった。),債務返済までに一定期間を要する金銭貸付けを担保するものとしては,十分な担保力があったとはいいがたい。
また,Aらの弁護人は,W株式会社(以下「W」という。)が,Dの新株160万株を担保としてX銀行から2億円の融資を受けたことをも,その主張の根拠とする。
しかしながら,かかる融資は,当然にW自体の債務返済能力も加味されて実行されたものと考えるべきであり,Dの新株の担保力のみをもって当該融資がなされたものと考えるのは相当でない。仮に,Dの新株の担保力のみでかかる融資が受けられるのであれば,それを担保にして,Eないし被告人C自身を債務者として融資を受けることが最も容易かつ簡明であるはずであるが,かかる融資は実現しておらず,これに,上記のようなDの財務状況や株価変動状況を併せ考慮すれば,Wが上記のようにX銀行から融資を受けることができたからといって,そのことは,Dの新株940万株を担保として6億4680万円もの高額の資金を調達することが容易であったことの根拠とはならない。
加えて,上記2(1)のとおり,出資の履行を払込期日までにする必要があり,その後に新株が発行されるという法制度の下,当該主張のように,発行後の新株を担保とする融資によって株式払込みの有効性を追完しようとすることは,それ自体,制度の趣旨に反するものといえ,にわかに容認しがたいところである。
よって,Aらの弁護人の上記主張は採用できない。
イ次に,Cの弁護人は,「被告人Cは,Wの社長から,WがDの新株940万株を担保としてX銀行から9億円の融資を受け,そのうち2億円はWが使い,残る7億円を被告人Cに融資するという計画について了承を受けていた。」旨主張し,被告人Cもこれに沿う供述をする。
しかしながら,Wの取締役管理部長であるY(以下,「Y」という。)は,「被告人Cから上記のような申し入れがあり,検討するとは言ったものの,承諾はしておらず,リスクが大きく無理だと思った。」旨供述しているところ,一般的に価格が大きく変動する可能性のある株式を担保として9億円もの高額の融資を受け,しかも,その大半である7億円を被告人Cに転貸するなどということは,企業としておよそ合理性を欠いた判断であり,かかる無謀な申し入れを無理だと思ったとするYの上記供述は,まったく自然で合理的である。
また,Yは,WがDの新株160万株を担保としてX銀行から2億円の融資を受けた事情について,「平成15年11月より少し前のころ,EのWに対する借金は約2億円ほどであったため,被告人Cに電話で借金返済の催促をしたところ,『Eが,Dの第三者割当増資を引き受けることになっている。
2億円分くらいのDの新株をWからのこれまでの借金の担保に差し出すから,それをWで銀行に持ち込んで借りればいい。』との申出があったことから,X銀行にその旨を打診して内諾を得た。」旨供述しているところ,その供述内容は,捜査公判を通じて概ね一貫しており,特に不合理,不自然な点はない上,EのWに対する借金額については客観的事実にも符合するのであって,Yの上記供述の信用性は高いといえる。
他方,被告人Cの上記供述は,その内容に合理性がない上,信用できるYの上記供述に反していてにわかに信用することができず,Cの弁護人の上記主張も採用できない。
(3) 以上によれば,Lのために質権が設定された6億4680万円の預金債権については,これをDの「実質的な財産」と評価することはできないから,EがI銀行本店に払い込んだ11億4680万円のうち,上記預金債権に転化した6億4680万円分についても,株式の払込みは無効であるというべきである。
4 なお,Cの弁護人は,「@本件新株については,Dの全取締役が引受担保責任を負う(改正前商法280条の13第1項)から,払込みは有効に成立している。A本件新株については,新株発行無効の訴え(同法280条の15)が提起されておらず,私法上有効なものとして処理され,転々と流通している。B本件が仮装払込みであれば,12億円の払込金保管証明書を出したI銀行が支払責任(改正前商法189条2項)を免れないのに,同行がそのような責任を取った事実はない。」などとして,本件の株式の払込みが有効である旨主張する。
しかしながら,それらの法手続は,株式の有効・無効を確定するものではなく,株式の払込みが無効である場合の事後処理について定められたものに過ぎないというべきであって,それらを根拠として本件の株式の払込みが有効であると主張することは本末転倒というほかなく,Cの弁護人の上記主張は採用できない。

第4 被告人らの故意について

1 営業譲渡に関する5億円分の資産にかかる株式払込みの有効性の認識について
関係各証拠によれば,本件の一連の増資手続においては,D側では,代表取締役である被告人Aの具体的指示の下,取締役である被告人Bが中心となって,E側では,代表取締役である被告人Cが中心となって,それぞれこれに携わり,被告人ら3名の了解の下,Eが払い込んだ11億4680万円のうち5億円分を営業譲渡代金として処理し,最終的にI銀行本店に還流させるスキームが実行されたことが認められるところ,それらのことからすれば,被告人ら3名は,いずれも,上記スキームにかかるDとEとの間の営業譲渡に関する契約が内容希薄であったことや,株主総会の特別決議等の必要な手続が行われていなかったことを十分認識していたものと考えられる。
被告人Aが「私は,民事再生手続が終わっていなかったこの段階では,Hの営業譲渡を受けることは不可能だと思っていました。
また,営業譲渡代金は,後日,第三者機関の査定により双方話し合いの上で決定することになっており,5億円という額は確定したものではなかった上,そもそも,その対象もHの営業権なのか,Hの株式なのかはっきりと決まっていない状況でした。」などと供述したり,被告人Bが「当社は,営業譲渡代金という名目で5億円を支払ったものの,増資の時点では,譲渡の時期や,方法,金額等が確定しておらず,その後の資産査定や,また,民事再生手続中でしたので,裁判所の許可等の手続を経なければならず,その当時は,営業譲渡が本当に実行されるかどうかの確証もなく,正直なところ,増資を行うのに併せて,名目上,営業譲渡という形を取って5億円を支払ったにすぎませんでした。」などと供述したりしている点は,かかる認識があったことを裏付けるものということができるし,被告人Cが「本件営業譲渡は,店舗の賃借権を例えばDさんに渡すとか,あるいは従業員を丸ごと渡すとか,そんな話じゃなくて,会社ごと渡すというイメージでした。HがDさんの子会社になるというような感じですね。」などと供述する一方で,「営業譲渡後にHで売り上げたお金は,まずHに帰属する。Dさんのメリットとしては,株式配当
としては受け取れるかも分からないですけど。」などといった矛盾した供述をしている点も,かかる認識があったことを推認させるものといえる。
そして,それらの事情についての認識があった以上,被告人ら3名は,いずれも,11億4680万円のうち営業譲渡代金として処理された5億円分に関しては,Dに「実質的な資産」が帰属していないことを認識していたものと認定するのが相当である(なお,上記第3の2(4)のとおり,Hの営業の客観的な価格が5億円もの高額ではなかった点は,Hの代表取締役でもあった被告人Cについては,当然にそのことを認識していたものと推認できるが,Dの役員であった被告人A及び被告人Bについては,かかるHの内情までをも認識していたかは必ずしも定かでない。
しかしながら,そのようなHの営業の客観的な価格についての認識が欠如していたとしても,本件の営業譲渡に関するスキームや営業譲渡契約の内容が希薄であることなどの事情だけで,Dに「実質的な資産」が帰属しているといえないことは明らかというべきであるから,かかる認識の欠如によって上記認定が左右されることはないものと解される。)。
2 質権設定に関する6億4680万円分の資産にかかる株式払込みの有効性の認識について
(1) 関係各証拠によれば,上記1におけるのと同様,Eが払い込んだ11億4680万円のうち6億4680万円分の預金債権に質権を設定するスキームは,被告人ら3名の了解の下で実行されたことが認められるところ,かかる預金債権が一般的に直ちに会社の資産として使用できないことは明白であるから,質権設定の事実を認識している以上,特段の事情がない限り,当該預金債権がDの「実質的な資産」ではないことを認識していたものというべきである。
(2) これに対し,Aらの弁護人は,被告人A及び被告人Bは,Eないし被告人Cの資金調達力を疑っておらず,Dの新株940万株を担保とする融資により質権が消滅するものと信じていた旨主張する。
しかしながら,既に2回の払込期日において出資が履行されず,しかも,3回目の払込期日におけるLの出資金に関しても質権設定を要求されるという状況の下,被告人A及び被告人Bにおいて,Eないし被告人Cの資金調達力を疑っていなかったなどということはおよそ考えがたい。
そして,上記第3の3(2)アのとおり,Dの新株940万株を担保として6億4680万円もの高額の融資を受けることが容易であったとはいえないのであるから,かかる方策は当該質権を確実に消滅させることが期待できるようなものではなく,仮に被告人A及び被告人Bが,Aらの弁護人のいうように,Dの新株940万株を担保とする融資により質権が消滅するものと信じていたとしても,それは客観的な根拠に基づかない願望的なものに過ぎないというべきであって,両名において,当該預金債権が「実質的な資産」であるものと認識していたということにはならない。
したがって,Aらの弁護人の上記主張は採用できない。
(3) また,被告人Cに関しては,上記第3の3(2)イのように,Wを介したX銀行からの融資を期待していた節が見受けられるが,これについても,客観的な根拠に基づかない願望的なものに過ぎず,当該預金債権が「実質的な資産」であるものと認識していたということにはならない。
(4) 以上によれば,被告人ら3名は,いずれも,11億4680万円のうち預金債権として質権が設定された6億4680万円分についても,Dの「実質的な資産」ではないことを認識していたものと認定するのが相当である。
3 上記1及び同2によれば,被告人ら3名は,いずれも,Eが払い込んだ11億4680万円全額分について,Dに「実質的な資産」が帰属していないことを認識していたものと認められる。
4 ところで,Aらの弁護人及びCの弁護人は,電磁的公正証書原本不実記録,同供用罪の故意があったというためには,被告人らにおいて,さらに,株式の払込みが無効であること自体を認識していたことが必要である旨主張する。
しかしながら,「実質的な財産」がDに帰属していないにもかかわらず,かかる実態に反して,本件のごとく発行済株式の総数や資本の額が増加した旨の事実を商業登記簿原本に記録するなどした場合,その結果,Dの株主及び債権者等に誤った情報を与え,ひいては経済取引の安全を害するおそれもあるが,「実質的な財産」に関する上記3の認識があれば,そのようなおそれがあることを意識し,それに対する反対動機を形成することは十分可能であるものというべきである。
したがって,株式の払込みが無効であること自体の認識は,上記各罪の故意があったというために必要不可欠なものとまではいえないと解される。
また,Aらの弁護人及びCの弁護人は,I銀行ないしT証券の関係者が払込みの無効性を指摘しなかったことなどが被告人ら3名の故意ないし責任を阻却させる旨の主張もしていると解されるところ,確かに,I銀行やT証券の関係者が,本件における株式払込みのスキームの形成過程に深く関わって,ときに主導的な立場にあったとみる余地すらありうるとはいえるものの,それらの銀行等は,結局のところ営利を目的とする私企業に過ぎず,公に法令の解釈運用の職責を負っているわけではないのであるから,その指示等に漫然と従ったからといって,被告人ら3名に,本件にかかる違法性の意識の可能性がなく,その故意ないし責任が阻却されるものと認めることはできない。
5 以上を総合すれば,被告人ら3名には,いずれも,電磁的公正証書原本不実記録,同供用罪の故意が認められる。

第5 結論

以上のとおり,本件における11億4680万円の株式の払込みは全額について無効であり,被告人らの故意も認められるから,被告人らには,判示のとおりの電磁的公正証書原本不実記録,同供用罪が成立する。
(法令の適用)
被告人3名の判示所為のうち,電磁的公正証書原本不実記録の点はいずれも刑法60条,157条1項に,同供用の点はいずれも同法60条,158条1項,157条1項に該当するが,被告人3名の電磁的公正証書原本不実記録と同供用の間には手段結果の関係があるので,いずれも同法54条1項後段,10条により1罪として犯情の重い不実記録電磁的公正証書供用罪の刑で処断することとし,各被告人につきいずれも所定刑中懲役刑を選択し,その各所定刑期の範囲内で被告人Aを懲役2年に,被告人Bを懲役1年6月に,被告人Cを懲役2年にそれぞれ処し,いずれも同法21条を適用して,未決勾留日数中,被告人Aに対しては40日を,被告人Bに対しては30日を,被告人Cに対しては30日を,それぞれその刑に算入し,各情状によりいずれも同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から,被告人A及び被告人Cに対し各4年間,被告人Bに対し3年間,それぞれその刑の執行を猶予し,訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項本文,182条により被告人3名に連帯して負担させることとする。
(量刑の事情)
1 本件は,被告人らが,DのEを引受人とする第三者割当増資に際して,判示のとおり共謀をし,株式の払込みを仮装した上,「発行済株式の総数」及び「資本の額」について内容虚偽の登記申請をし,商業登記簿の原本として用いられる電磁的記録にその旨の不実の記録をさせ,これを商業登記簿の原本としての用に供したという電磁的公正証書原本不実記録,同供用の事案である。
2 本件犯行に至る経緯は上記「事実認定の補足説明」第2記載のとおりであるところ,被告人A及び被告人Bは,Dの経営改善に必要な資金調達をするために増資手続を進めていたものとは認められるが,客観的にはその実現が困難な状況になっていたにもかかわらず,闇雲に増資手続を進めた結果,株式の払込みを仮装して本件犯行に及ぶに至ったものといえ,会社の資金繰りが切羽詰まった状態にあったことを踏まえても,その経緯や動機について酌量の余地は乏しい。
一方,被告人Cは,新株発行に伴う株価上昇による差益を得ようと考えて本件増資を発案したものであるが,I銀行と協議した上で本件のスキームを考案するなど,終始主導的立場にあって本件増資を推進していたところ,結局,被告人Aらと同様の事態に陥って本件犯行に及ぶに至ったものであり,その経緯や動機についても酌量の余地は乏しい。
そして,本件犯行態様は,関連会社について営業譲渡契約をしたり,個人投資家や,払込取扱銀行以外の金融機関を介在させたりするなど,複雑なスキームで増資を仮装するという計画的かつ巧妙なもので,悪質である。
また,本件で発行された新株は940万株(払込金総額11億4680万円)とDの発行済株式総数の5割近くにも上る大量のものであって,しかも,本件当時,Dが東京及び大阪の各証券取引所第2部に上場していたことなどからすれば,本件犯行は商業登記簿に対する公の信用を著しく害したものといえる。
さらに,被告人3名は,いずれも,客観的事実関係については概ね認めているものの,故意の存在を否定するなどしており,十分な反省の態度がみられない。
以上のことからすれば,被告人3名の刑事責任は,いずれも軽くみることができず,とりわけ,DないしEの各代表取締役として本件で主導的立場にあった被告人A及び被告人Cの責任はより重いといわなければならない。
3 他方,被告人らが本件犯行に至ったことについては,増資手続についての法的知識を十分に有しない被告人らに対し,アドバイザリー契約を締結していた証券会社や株式払込取扱銀行の関係者が適切な言動をしなかったことなども1つの要因であったと考えられること,被告人3名ともそれぞれその職を辞任するなどしており,一定の社会的制裁を受けているとみうること,被告人B及び被告人Cには前科がなく,被告人Aも業務上過失傷害により罰金に処せられた以外には前科がないことなど,被告人らのためにそれぞれ酌むべき事情も存在する。
4 そこで,以上の諸事情を総合考慮して,被告人らを主文の刑に処し,それぞれその刑の執行を猶予することとした。

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